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[多様化する食・健康を考える](3)健康食品、ちょっと待って(連載)とは

 仙台市の主婦(61)は、83歳の母親が「元気になる」「健康にいい」などと言って、薬のような粉末や錠剤を「手当たり次第」に購入して飲むのを気にしていた。体に良いとされる特定の成分を抽出するなどした「健康食品」だった。「本当に効果があるのか」と疑問を持ち、時々注意をしたが、聞き入れてもらえず、市民センターで開かれた健康食品の講座を受講してみた。

 講師は、市内の薬剤師、戸田紘子さん。戸田さんは、健康食品の現状に問題意識を持つ薬剤師らと一緒に情報発信する「ふぁるま・ねっと・みやぎ」を2年前に結成。出前講座や基礎知識を解説した冊子作りなどを続けている。

 戸田さんの講演を聞いた主婦は「母が服用する医療用薬との組み合わせ次第では、副作用を強めたり、効き目を弱くしたりするタイプがあることがわかりました」と話す。天然の素材を使ったものでも、それを濃縮した錠剤などを飲むと、取りすぎの危険があることなども知った。

 「健康への影響を具体的に説明したら、母も納得し、余り手を出さなくなった。口の中へ入れる前に、私に聞いてと話しています」

 太りすぎや栄養バランス、病気予防などを気にする日本人の食生活に浸透してきた健康食品。多くのタイプが出回り、業界紙「健康産業新聞」の推計では、昨年の市場規模は10年前の倍以上の約1兆2850億円(特定保健用食品を除く)に拡大している。

 だが「サプリメントなどは安全性の確認を企業任せにした商品が多く、公のチェックが働かない。効能の真偽も不明なものが目立つ」と話すのは、「危ない健康食品から身を守る本」(コモンズ)の著者で科学ジャーナリストの植田武智さんだ。

 先月には、キノコの一種「アガリクス」を含む健康食品の一製品に、発がん促進作用があることが動物実験で確認され、この製品が販売停止になった。専門家が有害性を指摘するまで国は本格的な調査をしていなかった。

 専門的な知識を持たない消費者が、素材の安全性や有効性をチェックするには限界がある。本当に必要な栄養素の量や種類も人によって違う。そこで最近注目されているのが、戸田さんのような薬局の薬剤師に相談する方法だ。

 東京都が都薬剤師会と連携して開設している「薬局検索サービス」(http://www.toyaku.or.jp/pharmacy/top)では、健康食品の相談に応じる薬局の所在地を調べられる。「特定保健用食品」の相談が対象だが、将来は、他の健康食品についても応じる検討をしている。

 戸田さんは「薬剤師といえども健康食品については知識が不十分な人がまだ多い」と”身内”の勉強会も続けている。「消費者が安心して相談できる『かかりつけ薬局』が広まることが理想ですね」

 

 〈健康食品

 〈1〉一定の効能表示を国の審査で特別に認めた「特定保健用食品」〈2〉国の基準に合えば栄養成分の機能が表示できる「栄養機能食品」〈3〉効能をうたえない一般食品と同じ扱いで、「サプリメント」「健康補助食品」などと称したもの――の3タイプに大別される。

 

 写真=ドラッグストアの店頭には、さまざまな種類の健康食品が並んでいる(仙台市のライオンドラッグ八乙女店で)

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 YOMIURI ONLINE  直近2週間のYOMIURI ONLINE速報記事より