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都市博のツケ20億円債権放棄2億余突然中止から14年とは◆被害企業に融資 返済拒む業者も 東京・臨海副都心開発の起爆剤として企画されたものの、青島幸男知事(当時)の決断で1995年に急きょ開催中止となった「世界都市博覧会(都市博)」を巡り、損害を受けた中小企業の補償措置で都が行った緊急融資のうち、約20億円がいまも未回収となっている。「中止した都が悪い」と返済を拒む業者もおり、融資から14年たったいまも回収作業は難航。都は回収見込みが立たない貸出先について、今年から債権放棄を始めた。都幹部からは「後始末がここまで続くとは」との嘆きも漏れる。 融資制度は、96年に開催予定だった都市博会場の内装工事やイベント企画などを受注しながら、開催中止で発注先企業から代金を受け取れない中小企業などを救済する目的で設けられた。借り入れの上限は1社当たり2億円。都が債務保証を行った上で融資する金融機関を紹介し、利子も全額補給する仕組み。1000万円以下であれば連帯保証人や担保も不要だった。 280社が制度を利用し、融資総額は約77億8500万円に上り、都の負担は利子補給だけで十数億円に及んだ。これまでに全額を返済したのは181社で、回収額は約58億円。返済が滞った融資先は、都が金融機関から債権を引き受けて回収作業を続けてきた。しかし、債権管理や担当者の人件費などの経費もかかるため、都は今年3月、所在不明になった貸出先など17社の計約2億6000万円について、初の債権放棄に踏み切った。 残る約20億円のうち、すでに倒産するなどして回収の見通しがないのは47社の計約8億円余。残る52社の約12億円については督促を続けているが、「返済する余裕がない」として応じない業者も多い。経営者が失踪(しっそう)したり、会社がもぬけの殻になったりするケースもある。 都にとって難しいのは、「元はと言えば、突然開催を中止した都が悪い」と抗弁されるケースもあること。現存する貸出先の多くは「無担保」「無保証」で、そもそも中小企業救済のために行った融資だから、強制的な措置に踏み切ることも難しいという。「都税の滞納者とは違い、こちらにも負い目があるから、なかなか強く出られない」(都幹部)のが実情だ。 「政治判断」で急きょ決まった都市博中止。ある都幹部は「突然の政策変更は後々まで禍根を残す。その典型的な例ですよ」と渋い表情で語った。
〈都市博〉 環境、防災などをテーマに「21世紀の都市像を探る」イベントとして鈴木俊一知事(当時)が推進し、世界の都市や民間企業などが参加して1996年春に開催予定だった。しかし、前年の知事選で、開催中止を公約に掲げた青島知事が初当選し、中止を断行した。都はパビリオン建設などを発注済みだった企業に対し約341億円を補償するなど、中止に伴う費用は約600億円に上った。
写真=都市博開催を見込んで企業やホテルなどの進出ラッシュが続く当時の東京・お台場エリア(1994年、本社ヘリから)
2009年12月14日(Mon)
全国 夕刊
17頁(夕社会) 05段 1211文字
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