本文です

親和銀不正融資事件現会長名で迂回融資暴力団関連企業へ96年に15億円とは

 ◆返済の関連会社に損害

 親和銀行(本店・長崎県佐世保市)の東京支店を舞台にした不正融資事件で問題になった暴力団関連企業に、同行が関連会社「西日本商事」(本社・同市)を介して約十五億円の迂回(うかい)融資を行い、その後、西日本商事に全額を返済させ、同商事に損害を与えていたことが二十四日、分かった。捜査当局は、商法特別背任に当たる可能性もあるとみている。

 関係者によると、迂回融資は一九九六年末に行われた。当時、本店営業部長だった松浦弘和・代表取締役会長持ち株会社九州親和ホールディングス会長を兼務)名でりん議書が作成された。

 その後、頭取になった松浦会長は「正当な貸金」として西日本商事に返済を求めた。同商事の幹部らは迂回融資と認識していたため、返済すべきかどうか協議。「親和銀行からの正規の借り入れとして返済すれば背任になる」との意見もあったが、結局、土地、建物を売却するなどして二〇〇一年十一月までに完済した。一方、同商事は暴力団関連企業を相手に起こした訴訟で、同年一月に解決金として約一億円を回収し、差し引き、約十四億円の損害を受けたという。

 親和銀行の内部調査書によると、迂回融資先の暴力団関連企業には使途や返済財源に懸念があったものの、常務会で融資が決定されたという。

 捜査関係者は「西日本商事の役員が迂回融資だと知っていて親和銀行に返済したのなら特別背任になりうる」としている。

 不正融資事件は九三年、当時の頭取、被告(最高裁上告中)が自身の女性問題を、暴力団を介してもみ消したことなどが発端。立件分だけで計六十四億七千万円の不正融資を行ったとされる。

 松浦会長ら現経営陣は九九年三月、不正融資当時の元頭取ら役員七人を相手に損害賠償を求めて提訴。長崎地裁佐世保支部は今年一月、和解に応じた五人を除き、元役員二人に対し総額約四十四億六千八百万円の支払いを命じた。

 親和銀行は「個別の取引先との関係に関しては守秘義務があり、コメントできない。債権回収で取引先に損害を与えたり、関係者が法令違反となったり、税務上の問題が生じるような案件は全く存在しないと認識している」と説明している。

 福島俊幸・西日本商事代表取締役専務の話「迂回融資かどうかの事実も分からない。銀行に聞いてほしい」

   ………………………………………………………………

 <迂回融資> 金融機関が貸し出した資金が、意図的に名義人以外の第三者向け資金として融資されるケースを指す。大口融資規制をくぐり抜ける手段や総会屋、暴力団などに対する不正融資などに使われることが多い。

共通のキーワードを含む商品
Supported by 楽天ウェブサービス


 YOMIURI ONLINE  直近2週間のYOMIURI ONLINE速報記事より