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産廃場建設差し止め知事許可の管理型で初健康被害の恐れ/鹿児島地裁判決とは鹿児島県鹿屋市の産業廃棄物処理会社「インクス」(吉ヶ別符一徳社長)が、同市下高隈町に計画中の管理型産業廃棄物最終処分場について、住民337人が建設差し止めを求めた訴訟の判決が3日、鹿児島地裁で言い渡された。小田幸生裁判長は「地下水が汚染され、住民の健康被害につながる恐れがある」として、住民側の訴えを全面的に認め、同社に建設しないよう命じた。都道府県知事が建設を許可した管理型産廃処分場で、差し止め判決が出たのは初めて。同社は控訴する方針。 裁判では処分場の安全性が最大の争点となった。住民側は、水銀やヒ素を含んだ汚水が地下に浸透し、井戸水を飲用する住民の健康を害すると主張。同社側は防水シートの強化などで、井戸水に汚水が混入することはないと反論していた。 判決では、同社が過去に産廃の不法投棄にかかわったとみられることや、計画が再三変更された点を指摘。「処分場を安定的に維持管理するには、経済力、技術力だけでなく、モラルの点でも高い水準が要求される」「維持管理を適切に行う立証はない」として、同社側の主張を退けた。 この問題を巡り、逆に同社が「工事を妨害された」として住民24人を相手取って損害賠償を求めた訴訟の判決も同時に言い渡され、小田裁判長は「社会通念上、違法とまでは言えない」として請求を棄却した。 処分場は約5万平方メートル、埋め立て容量約136万立方メートル。1998年に県が設置を許可し、着工したが、2000年3月の同地裁による工事差し止めの仮処分決定を受けて中断している。住民側が、県と同社などを相手取り、設置許可取り消しなどを求めた訴訟も同地裁で係争中。 村上守・インクス代表取締役の話「処分場から最も近い集落まで約3キロ離れており、生活水に影響はない。判決は誤った判断だ」 前田哲志・鹿児島県環境整備課長の話「業者が相手の裁判なので、コメントは差し控えたい。県が被告になっている裁判では(設置許可を与えた)県の立場が正しいことを明白にしていきたい」
〈管理型処分場〉 廃棄物埋め立て予定地に防水シートをはることで、廃棄物からしみ出た水が地下に漏れ出すのを防ぎ、内部にたまった汚水を処理設備で浄化する処分場。安定型処分場で埋め立てることができない汚泥や燃えがらなど、地下水を汚染する恐れのある産業廃棄物でも埋め立てることができるため、全国的に普及している。
2006年2月4日(Sat)
全国 朝刊
34頁(2社) 04段 980文字
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